職場選びのポイント
介護記録はタブレットを
介護記録は、介護サービスの契約書はもちろん、どのようなサービスを提供してどこに注意を払うべきかなど、利用者のさまざまな情報が記録されているものです。より良い介護サービスを提供するために、毎日の記録に加えて介護職員同士での共有が欠かせません。
その介護記録で使用するツールに、タブレット端末を導入する施設が増えています。以前は当たり前だった紙ベースでの記録は、記入にかかる時間が本業を圧迫するほどの負担になり得ます。人の手で記入するとなると、書き間違いや読み間違い、文字の濃淡、クセといった問題もあり、スムーズとはいえない状況になるのです。
現在も手書きの介護記録のままの介護施設はありますが、時代とともにタブレット端末への移行は徐々に進んでいるようです。介護職員の人材不足が続いている原因には、手書きの介護記録のように業務負担の大きさも挙げられています。勤務時間内に利用者への介護自体は円滑にできていても、介護記録にかかる時間で残業せざるを得ないことも珍しくありません。介護職員への負担軽減に意欲的な介護施設では、ICT化を積極的に進めているところが多いです。介護記録にタブレットが活用されていることを確認しましょう。
身体介護は介護ロボットを
利用者を支える、抱えるなどの身体的負担の大きさも、介護職員にとって悩ましい業務の一つ。このような身体介護は介護サービスを提供するうえで必須の業務なので、身体的負担がかかるのは仕方ないというイメージでした。しかし、身体的負担が恒常化した結果、腰痛を来して介護の仕事を続けられなくなっては本末転倒です。
そこで有効なのが介護ロボットです。AIの技術を取り入れることに抵抗のない施設ほど、介護職員の身体介護時の負担を抑えられています。介護ロボットには、介護支援型・自立支援型・見守り型の3種類があります。そのうちの介護支援型は、介護職員の身体的負担軽減を目的に開発された介護ロボットです。移乗や入浴などで利用者の身体を支えたり抱えたりという作業を、介護ロボットが代わりに行ってくれるのです。すべての工程ではないにしても、介護職員の身体的負担はぐっと軽減されます。介護ロボットを導入している施設も、働きやすい可能性があるでしょう。
今後の普及に期待
厚生労働省では介護職員の負担軽減を図って定着促進するべく、ICT化を推進。地域医療介護総合確保基金を通じて、介護ソフトやタブレット端末の導入支援を行っているそうです。
介護ロボットの開発においては、経済産業省と厚生労働省で重点的に開発支援をスタート。高齢者の外出や歩行をサポートする装着型の移動支援機器、トイレ内での下衣脱着を支援する動作支援機器など、さまざまな分野で開発支援を行っています。
介護ロボットの導入はまだまだ完全とはいえない状況ですが、「導入する予算がない」「消耗品管理などの維持管理が大変」といった課題を解消できる取り組みがなされれば、今後さらに普及していくでしょう。